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投資コラム

仮想通貨でGOX(大損)した人が学ぶべきリスク管理術

はじめに~CoincheckのNEM盗難事件と今後の展開~

事件のあらまし

2018年1月26日。

この日、まさに日本中を震撼させる歴史的な大事件が発生しました。

日本最大級の仮想通貨販売所であるCoincheck(コインチェック)から、

なんと580億円相当のNEM(ネム、通貨記号はXEM)ハッキングにより不正流出したのです。

これにより、顧客資産は全て凍結され、以後、NEM以外の取り扱い仮想通貨の入出金、日本円の入出金も出来ない状況になりました。

(※1/28追記:本日未明、日本円で約460億円分の返金対応が公式発表されました。返還日時は検討中との事です。)

予想されうる今後の展開

今後の展開については、各地で様々な憶測が飛び交っていますが、予想されうる展開としては、ざっくりと以下の3パターンが考えられます。

【展開1:楽観シナリオ】盗難に遭ったNEMが(一部または全部)回復し、顧客の資産も(一部または全部)戻ってくる。

【展開2:中庸シナリオ】盗難に遭ったNEMは返って来ないが、顧客の資産は(一部または全部)戻ってくる。

【展開3:悲観シナリオ】盗難に遭ったNEMは返って来ないうえに、さらに顧客の資産も一切戻って来ない。

これはあくまで僕の予想ですが、現実的に考えると、展開2(中庸シナリオ)あたりが可能性としては高いのではないかな、と。

ただ、それでも最悪の場合、展開3(悲観シナリオ)になってしまうパターンも十分あり得ます。

しかしこれはもう、事件が起こってしまった以上は覚悟を決めるしかないのが現実です。

僕の被害額について

翻って、僕(著者)もコインチェックで一定額の仮想通貨を取引していましたので、

取引所に一時置いていた資産凍結の憂き目に遭ってしまいました。

しかし、不幸中の幸い凍結を受けた金額は全資産の約1%未満で済みました。

これは、テールリスク(滅多に起こらないリスク)とはいえ、

取引所の信用リスク(倒産など)を事前に織り込んでリスク管理を行い、有事に備えていたためです。

本記事で伝えたいこと

今回の事件で、残念ながら多額の資産を凍結されてしまった(あるいは失ってしまった)方も多くいらっしゃるかと思います。

その上で、あえてストレートに言いますが、その損失はあなた自身の(普段からの)リスク管理のレベルと反比例しています。

しかし、このような時こそ、失敗を糧にして学びを得るチャンスです。

今回のような苦い経験を決して繰り返さないためにも、

有事の際にも損傷軽微で済むように、僕が行って来た、信用リスク(※)をヘッジするための3つのリスク管理術をお伝えします。

(※)売買タイミングの分散(ドルコスト平均法)など、相場の価格変動リスクをヘッジする、という主旨の記事ではありませんので、ご留意下さい。

 

【リスク管理術1】アセット(資産)クラスの分散

この事件を受け、多くの人は「ハードウォレットに保存しておくべきだった」というセキュリティ面に意識を向けがちですが、

それ以前に、まず真っ先に考えておくべきだったのは、アセットクラスの分散(資産配分)です。

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僕の場合は、現金5%、株式90%、仮想通貨5%(※)をアセット・アロケーションとして設定しています。

(※ちなみにこれでも、現状での限界ギリギリまでリスクを最大限に取っており、今後は現金比率を増やしたり、貴金属や債券を多少組み込むかも知れませんが。)

要は、仮想通貨を売買しているほとんどの方は、そもそも仮想通貨に突っ込む金額が多過ぎる(全資産中の割合)のです。

(僕の「現物5%」でも、見る人によってはリスクの取り過ぎと判断される事もあるぐらい、です。)

ここでまさか、全財産を仮想通貨に突っ込むとか、さらには借金までして仮想通貨にオールイン、といった愚行を、

もし万が一にも行っていた方がいたら、これを機に今すぐ「アセット・アロケーション」を考え直しましょう。

アセットクラスを分散する事は、証券会社や銀行など、仮想通貨取引所以外の金融機関を利用する事にも繋がります。

それはすなわち、信用リスクに対する一定のヘッジにもなりうる訳です(※もちろん、全く影響を受けないと言ってる訳じゃないですよ)。

 

【リスク管理術2】取引所(販売所)の分散

2つ目は、これも言わずもがなですが、取引所は最低でも2つ、出来れば3つ以上は分散しましょう。

こう言うと、「自分はハードウォレットを利用しているから1つで大丈夫」と思う方もいるかも知れません。

しかし、普段はハードウォレットに保管してある事で安心しきってしまい、

あくまで短期的な売買(リバランス等)のために、一時的に取引所に置いた資産が突然凍結される事だってあるのです(※僕は今回このパターンでした)。

つまり、ハードウォレットを利用しているだけでは、信用リスクを十分にヘッジ出来たとは言えないという事です。

大事な事なので、もう一度言います。

取引所は最低でも2つ、出来れば3つ以上は分散しましょう。

 

【リスク管理術3】ハードウォレットと保管場所の分散

3つ目は、ハードウォレットの分散です。

これは信用リスクの直接的なヘッジではありませんが、

ハードウォレット物理的な保管媒体である以上、経年劣化、突然の故障火事や災害などアクシデントによる破損もあり得ます。

そのため、ハードウォレットも出来れば2つ以上は用意して、

さらには現住所と実家など、物理的な保管場所も出来れば2箇所以上に分散しましょう。

 

おわりに~僕がリスク管理の徹底を叫ぶ理由~

以上の3つが、僕が実際に行って来たリスク分散術です。

もしかしたら、「ここまでやるの?」と思われるかも知れません。

しかし、これは僕の持論ですが、

「想定されうる全てのリスクに対して、いくら注意してもし過ぎるという事はない」

と思っています。

これはほぼ100%、確信を持って断言出来ます。

何故なら、今回のコインチェックの事件のような万が一の事態が発生した時に、

“100%の信用をもって”あなたの資産を守ってくれる人は誰もいないからです。

100%の信用というものがこの世に存在するならば、それはあなた自身が自分のために今まで投じてきた「備え」です。

ダメ押しでも、徹底的にやりましょう。

【おまけ】Twitter発言あれこれ

岩波慶
岩波慶
coincheckの件最終結果がどうなるかは不明だが、まずは投資家にとって、ハードウォレット保存(あるいは最低でも取引所の分散)をはじめ、普段からのリスク管理は超大事だと再認識。

そして取引所も、今後の仮想通貨市場の健全な発展のために、ハッキング防止策だけでなく、(投資者保護基金や信託保全のような)顧客資産を保護する仕組みの整備も必要ではないだろうか。

そうなると、そのリスク管理のコストは誰が支払うのか?という問題になるが、 それは売買手数料(スプレッド)に上乗せするか、あるいは最初からリスク管理者にインセンティブを付加したコインの開発という方法も考え得る。

2018年は、仮想通貨市場全体にとっての試練の年になるか。